足の指が痛い。親指と人差し指の間、人差し指側の根元のあたりに擦り傷ができたのである。左右、同じような場所に同じような傷があり、右の方がより大きい。どうしてこのような傷が付いたのか、についてはハッキリと分かっている。いわゆる鼻緒ずれである。
下駄を3カ月ほど前に購入した私は、それから時間がある時には近所を下駄で散歩していた。何しろ慣れない駒下駄なので、歩き慣れた道であっても時間がかかるし、疲れる。だから時間的にも体力的にも余裕があるタイミングでなければ、駒下駄は履けないのである。
駒下駄を履く余裕は無いが、それでも近所を気軽に散歩したい時、私は雪駄を履いていた。これが先日、破れて中敷きが飛び出してしまった。長年愛用したものなので、経年劣化ということだろう。仕方がないので廃棄し、次から何を履こうかと考えた。
試しに、右近下駄で散歩した。この右近下駄は外出先で気まぐれに購入したもので、その日は履いて過ごしたのだが、以降は下駄箱へしまい込み、存在を忘れていた。久々に出して履いてみると、普通に履ける。駒下駄に慣れた身としては物足りないくらいだ。
帰宅し、足の痛みに気が付いた。鼻緒ずれであった。雪駄や駒下駄では起こらなかったので、この右近下駄の鼻緒が私の足と合わないのだろうか。ともかく、傷が治るまで右近下駄も駒下駄も履かない方が良いだろう。せっかく素足が気持ち良い季節となったのに、もどかしい。