私は毎日きちんと髭を剃る人を尊敬します

髭を剃った。正確には覚えていないが、3週間ぶりくらいである。私の髭は我ながら形が整っている方で、少し伸ばしているくらいであれば何も手入れをせずとも格好がつく。だからつい髭剃りを怠ってしまい、格好がつかないくらいに伸び過ぎてしまった後に、しぶしぶ髭を剃るのである。

電気髭剃り機であればサッと剃れるかと思いきや、あれはせいぜい3日ぶりまでの髭を剃ることに特化して作られているので、3週間伸ばした髭にはあまり適していない。生えたての髭はツンツンしているが、そのうち肌に沿って流れ始める。電気髭剃り機は、このツンツン状態でないとうまく剃れないのだ。

昔ながらのT字剃刀を使ってみたこともある。しかしこれは私の肌と相性が悪く、すぐに肌を傷つけ血が出てしまう。これは私の技術面の問題もあろうが、例えば床屋へ行き髭を剃ってもらったとしても私の肌はほぼ確実に出血する。何人もの髭を剃ってきたプロですらそうなのだから、これはもう私にはどうにもならない。

消去法的に、今回も私は電気髭剃り機で髭を剃った。電気髭剃り機とは、高速回転する刃が小さな穴から入ってきた髭を切り取る、という仕組みである。刃が肌に触れないので、出血することはない。電気髭剃り機で髭が生えているあたりの肌を撫でるだけで、ツンツン髭であれば綺麗に剃れる。

伸びた髭は、穴になかなか入らない。入った髭も、穴に入った長さだけがすぐに切り取られて、少し短くなったまだ長い髭が穴から出てきてしまう。だから再びこの髭を穴へ入れるために苦労する。そうしてようやく、私は髭を剃った。また3週間後にこの苦難が訪れることを思うと、今から憂鬱である。

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