乙女ゲームの始祖とされる『アンジェリーク』というゲームが9月中頃、Nintendo Switch Online加入者向けに配信開始された。私はその題名と、乙女ゲームの始祖である、ということだけしか知らなかったので、良い機会だと考えてプレイを開始し、先日エンディングを迎えた。
普段であれば、ゲームでエンディングを迎えたことを「クリアした」と表現する私なのだが、今はそういう表現をする気持ちになれない。というのも、乙女ゲーム、発売元の光栄いわく『ネオロマンスゲーム』において、ロマンス方向ではないエンディングを迎えてしまったからだ。
宇宙を統べる女王に即位する、というのが私が辿り着いたエンディングである。このゲームで女王になる為には、ゲーム中に登場する誰か一人と特別な関係になってはならない。繰り返すが、このゲームはネオロマンスゲームなのだ。ノーロマンスエンディングで良いはずがない。
機会はあった。ゲーム中、森の湖において、鋼の守護聖ゼフェル様へ勇気を出して告白したのだ。すると彼は私に、女王になるのはやめたのか、と聞いた。さすがに宇宙の女王の座と彼一人とを天秤にかけて、彼は選べない。私のその回答に彼は、今日のことは忘れる、と言った……。
女王になれば、すべての守護聖は部下になる。一人の守護聖と特別な関係になると、女王になった後で職務に支障が出る、ということなのだろう。恋を手に入れる為、宇宙を捨てる。さすがは乙女ゲームの始祖、骨太である。私も次は宇宙を捨てて、守護聖様との未来をつかみたい。