髪を切った。髪が伸びてきて、長くなってきたな、そろそろ切りに行かないと、と思い始めてから1か月は経っていた。何やかやと自分に言い訳をして先延ばしにしていたのだが、先日の雨で私の天然パーマがこれでもかと自己主張をしてきたので、観念した次第である。
散髪は床屋と決めている。一方で、床屋の店そのものは決めていない。というか極力、同じ床屋へは再訪しないようにしている。私は床屋での雑談が苦手なのだが、床屋は客の顔をよく覚えていて「お客さん、2度目ですよね」などと話しかけてくる。これが嫌なのである。
確かに、散髪は小一時間ほどかかるし、その間は身動きが取れないので、暇である。しかし私は、最初からそういうものだと覚悟を決めているので、散髪されている間はぼんやりと考え事をするなりして、一人で過ごすことができる。だから放っておいてほしいのである。
不思議なのは、初回に無口な床屋で、ここは良いなと思って再訪すると、次はやたらと饒舌で辟易する、ということが多くあることだ。前回が無口で、客は再訪したのだから、すなわち客は会話を求めていない、と私なら考えるのだが、多くの床屋はそうではないらしい。
今回の床屋探しは大変だった。大抵の床屋はガラス戸で、外から混雑具合が分かる。なので空いている店へ入るのだが、予約があるのでと断られることが2回ほどあった。店外に『いま空いてます』などと掲示いただければ助かるのだが、私のような客は少数派だろうし、贅沢な話か。