世間ではお盆休みとなる一週間だった。私はいつもとほぼ変わらない一週間を過ごした。変わったことといえば、いつもの電車がいつもより空いていたり、いつもは見かけない人々が乗ってきたり、いつもより大きな手荷物が多かったりした。発着時刻はいつも通りだった。
皆が一斉に休暇を取る今のような時期は、休暇を取ったら行きたくなるような場所はどこも混雑する。だから私は、できるだけこういう時期には働き、そうでない時期に休暇を取るようにしている。私は混雑そのものを楽しめるタイプではなく、イラついてしまうからだ。
何しろ混雑していると、お店に入るにも何かするにも料金を支払うにも待たされるし、店員さんは忙しそうだし疲れていそうだし不愛想だし、それなのに料金は変わらないどころか場合によっては少し高額になったりする。利用者目線で考えると損ばかりなのである。
誰もいないのが良い、というわけでもない。お店の中に誰もおらず、入ろうかどうしようかと考えている時に店員さんに呼び込まれるのは苦手だし、入ったら奥の方の店員さんが準備し始めるのは心苦しいし、手間をかけさせて人並みの経済貢献しかできない自分は情けない。
中庸が一番だ。人がいるが混雑というほどでもないお店に入り、他の人がさっきされたようないつもの接客を受け、適切な対価を支払う。これで私は満足なのである。たまに店員さんに親しげに話しかけている客を見かけるが、とても私にはできないな、と思う。