財布を買い替えた。たまたま通りかかった店で良さそうな財布を見かけ、その店いわく冬至のあたりに新しい財布を使い始めると何だか良いらしいので、冬至の前日であったその日に思い切って購入したのである。こういう売り文句であれば、個人的には歓迎である。
実を言うと、私は8月下旬に財布を紛失した。あまりにショックだったので、このことは日記に書けずにいたのだが、新しい財布を買った勢いで書くことにする。失ったのは現金と健康保険証、そして財布そのものくらいだったが、それでも2週間くらいは落ち込んだ。
新しい財布を買うまでの間、現金を生身で持ち歩くことを良しとしない私は、古い財布を引っ張り出して使うことにした。使用を再開してすぐに、私はこの古い財布の不満点を思い出した。この財布は三つ折り型で、入れておいた紙幣がコの字型に曲がってしまうのである。
失くした財布は長財布であり、紙幣は曲がらなかった。それをしばらく使用してきて、三つ折り財布に戻った時、やっぱり紙幣が曲がるのは嫌だな、と思った。手触りが良く、持ち歩くには小さくて便利な財布なのだが、それでもやはり新しい長財布が欲しかったのだ。
渡りに船、というやつで、私は新しい長財布に出会い、購入し使用し始めた。確かに三つ折り財布と比較すると大きくて持ち歩くのにやや不便だが、長財布を使っていると大人の男という感じがするし、何より紙幣が曲がらないので、新しい長財布も気に入っている。