丹田という言葉を初めて知ったのは、専門学校であった。私はかつて演劇系の専門学校に通っていて、そこで学んだことの一つが、丹田だった。丹田とは人間の肉体の一部、ヘソの下で股の上あたりのことだそうで、事あるごとに意識したり力を入れたりを求められた。
専門学校というのは良くも悪くも学校であって、パーソナルトレーナーではない。だから丹田についても、全体へ向けて何となく説明が行われ、それを聞いた個々人がおそらくこういうことだろうと何となく理解し、その理解が正しいかどうかを確認する機会は無かった。
演劇系の物事から離れて約20年、私は急にこの丹田のことを思い出した。私は常日頃から様々なことを考えている。この時に考えていたのは、中年を迎えて衰えゆく自身の肉体についてであり、日常の中で無理なくできる衰えの軽減方法についてであった。
仰向けに寝転がる際、今の私は腰の部分が浮いて床に接触しない。確証は無いが、若い頃には違った気がする。つまり気付かない内に腰が反ってきていて、それが肉体の老化の原因の一つなのではないか、と考えた。だからこれを是正するべく、腰を丸めようとした。
腰は、高さ的にはヘソの下で股の上あたりにある。そして背中側の腰を丸めようとすると、腹側の同じ部分に力が入る。これは丹田だ。私は20年越しに、丹田を意識し力を入れるということを完全に理解した。ただ丹田と老化との関係性は、今のところ不明である。