1年前に読書家を志した男の現在地点

読書の習慣を身に着けようと思い立ったのは1年ほど前のことだ。それはつまり定期的に読んだことのない本を手元に置くということで、その為には定期的に読んだことのない本を借りるか買うかせねばならない。読書の習慣がまだ無かった私にとって、これは様々な意味で困難であった。

借りる場合、幸い近所に図書館があるので実現は容易そうだ。しかし借りた本は当然、返す必要があり、期限がある。これが私の性に合わないのではないかと考えた。また私見だが、図書館の蔵書には偏りがある。皆が読みたい小説や絵本が多く、一部の人間だけが読む専門書の類は少ないか、全く無い。

買う場合、期限は無くなるが、今度は置き場所の問題が出る。何しろ現在の私には読書の習慣が無いのだから、現在の我が家には本を置く為の場所が無い。まず我が家を片付けて本を置くための場所を新たに確保するとなると、おおごとである。もっと簡単に読書習慣を開始できないものか。そこで私は思い当たった。

電子書籍を購入すれば、期限も無く置き場所も不要だ。パソコンやスマホは既に持っているので、それらに対応する電子書籍であれば追加投資も不要。電子書籍化されている本に限定されるが、きっと図書館の蔵書より種類は豊富だろう。これで私も読書習慣を身に着け、趣味は読書ですと自己紹介できるようになるのだ。

結果的に、期限が無く置き場所が無いことは、別の問題を生んだ。期限が無いことで読む必要性が失われ、置き場所が無いことで購入した本の存在を思い出さない。つまり読書の習慣は、いまだ身に着いていない。この1年で読了した電子書籍は4冊(内、漫画が2冊)である。先は長い。

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