暑さ寒さも彼岸まで、と聞く。彼岸とは、ざっくり言うと春分や秋分付近のことなので、つまり暑さは秋分、寒さは春分まで、ということだ。つい一週間前までは連日、最高気温35℃を超えていたのに、今週初めの秋分の日あたりからもう30℃を超える日はほぼ無い。先人の知恵を感じる。
彼岸といえば、以前から気になっていたことがあった。『おはぎ』と『ぼたもち』のことである。どちらも彼岸あたりに現れる和菓子であり、よく似ている。私は作ったことが無いので詳しくは知らないが、食べた時の経験からどちらも同じような大きさで、形で、味であることを知っている。
過去、同じ疑問を抱いてインターネット検索を行った記憶はあるが、結果を覚えていなかったので、もう一度調べた。すると、『おはぎ』と『ぼたもち』は同一のものの別名である、という説を見つけた。どちらも季節の植物である、秋の萩や春の牡丹から取られた名前だというのだ。
納得がいった。だからあんなに似ていたのだ。そういえば過去に別の説、「中にあんこが入っているのが『ぼたもち』、外にきなこがまぶしてあるのが『おはぎ』」を見て、首を傾げたことを思い出した。あんこでもきなこでも、それはおはぎでありぼたもちなのだ。違いは季節なのである。
別の疑問が生まれた。なぜおはぎは『はぎもち』ではなく、またぼたもちは『おぼた』ではないのか。おぼた、は語呂が悪いので流行らなそうだが、はぎもち、くらいはあっても良さそうだ。しかし軽くインターネット検索をしても、そう呼んでいる地域の情報などは得られなかった。謎である。