老眼の進行が著しい。もともと近視なので、遠くが見えるように眼鏡を掛けている私なのだが、その眼鏡を掛けている状態で手元のスマートフォンに表示された文字が読み取りづらくなってきたのである。それも、一か月前に10cmがつらくなり老眼が始まったのかと思っていたら、数日前には20cmでもつらくなっていた。あまりにも急である。

眼鏡を外せば、手元は見える。とはいえ手元を見る為だけに、いちいち眼鏡を外してどこかへ仕舞うのは面倒である。だからちょっと眼鏡を上方向へずらし、額へひっかけるようにして一時的に退避させる。かつて私が小さい頃、どこかの中年男性がそうしているのを見て、中年らしい仕草だと思ったそれそのままである。私も今や立派な中年男性だ。

確かに私は今やアラフィフとなったが、それにしてもそこまで急激に変化が訪れるだろうか。ひょっとして他に原因があるのでは、と自問してみると、思い当たる節があった。このところ諸事情から、食生活が乱れていたのだ。炭水化物や糖分ばかりを摂取していて、他の栄養素が不足している。これはよろしくない。

栄養バランスを考えた食生活として、一日三十品目というのを聞いたことがあるが、今の私にとっては雲の上の話だ。最近の私は一日五品目くらいだったので、これを二十品目くらいまで増やしたい。とはいえ根本的な改善は手間がかかる。そこで思い付いたのが、レトルトのカレーである。これなら手軽に品目数が増やせそうではないか。

幸い、いくらか買い置きがあったので、さっそく食事に取り入れた。すると効果てきめん、老眼が少し改善し、20cmなら問題ないまでになった。このまま続けていけば老眼が消えて無くなるかもしれない。いわゆるプラシーボ効果かもしれないが、何であれ生活が少し快適になったことは事実である。栄養バランスは重要だ、と改めて思った一件であった。