辞書マニアの作るマニアックな辞書

活字は好きな方だと自覚していて、かつてはよく小説を読んでいたが、近年めったに本は読まないし、買わなくなった。そんな私がこの本の存在を知り、是非とも読みたいし手元に置いておきたいと思った。その本の名は『三省堂国語辞典から消えたことば辞典』である。

惹かれたのは、まずその書名である。辞典から消えたことば、とは何だろう。おそらく死語の類だろうな。いわゆる死語辞典と何が違うのか。そんなことを考えながら上記リンク先を読み、なるほどそうか、違うなと感じた。私の思うところ、死語辞典とは現代の視点から死語を解説するものだが、本書は当時の紙面を収録、とあったからだ。

当時の紙面だけが収録されているのならば完全マニア向けになってしまうが、そこに時代背景の解説や挿絵などが追加されているらしく、私のようなマニア初心者にとっても読み物として面白そうだ。そこで試し読みしたところ、追加の解説や挿絵も辞典らしく淡々としていて実に好みであった。

編著者紹介がまた興味深い。最初の5文字が『辞書マニア』から始まる人物紹介文章を私は初めて見た。常識的には生まれ年か、公的な肩書を先頭に書くであろう。あるいは彼の場合、三省堂国語辞典を立ち上げた人物の孫、という関係性もある。それらよりも先に『辞書マニア』なのである。これは良い本に違いない。

念の為に書く。上の文章を読むと実にステルスマーケティング臭いと我ながら思うが、私は本書やその出版社などとは何ら関係ない。こんな場末の日記にステマ依頼が来るとは誰も思わない、と私は考えているものの、他の誰かがどう考えるかは分からないので明記しておくことにした。ステマ反対、根絶すべし。

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