大変な思いをしないと大変なことになりますよ

健康診断を受けてきた。年一回の受診義務は正直なところ面倒で、会社が義務付ける割には私の権利である有給休暇を使用することとされているのが納得いかないが、受診費用もほぼ負担いただいているし、怠け者の私はもし会社に所属していなければ自ら健康診断へ行くことは無いだろう。なので、総合的には受診に前向きな私である。

特にこのところ加齢により、頭髪は薄くなるし顔のシワやシミは増えるし体毛に白髪は増えるし腹は出るし足の親指は割れるし、と外見が順調に老化している。こうなれば当然、内臓関係も老化しているはずで、それを知るには専門家による検査が必要だ。知ればその老化へ対策することも可能となる。

今回の受診はこれまでで最も楽だと感じた。数ある診断の中で最もキツい胃カメラが、病院側の設備更新により少し細くなり、キツさが緩和されたのである。正確なところは不明だが、前回までのものが単三電池くらい、今回のものが単四電池くらいの太さだった。技術の進歩と病院の業績に感謝したい。

若いころの苦労は買ってでもしろ、という言葉がある。初めて聞いた時は意味がよく分からなかったが、胃カメラという経験から私は昔の人がこの言葉で伝えたかったことを理解できたような気がする。もし若いころに単三電池の胃カメラを吞んだことがなければ、今回の単四電池化を喜ぶことはなかっただろう。

苦労したくない、と若いころの私は思っていた。今の私は、だからいま苦労すると良いのだ、と続ける。あらかじめ苦労しておくと、苦労に対する免疫ができる。苦労が苦労ではなくなるし、程度の軽い苦労はむしろ喜びに変わる。そして覚悟して苦労するなら、ある程度は耐えられる。苦労は未来の自分への投資なのだ。きっと。

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